人民元のレート

代表的な外貨といえばドルやユーロですが、近年は中国の人民元も注目を集めているそうです。世界最大の経済センターとして急成長を続ける中国は、世界最大の通貨になる可能性はあるのでしょうか。

中国の為替制度は、基本的にはレートを市場に任せる形式です。しかし、中央銀行である中国人民銀行が常時介入する、「管理変動相場制」(管理フロート制)が採られているため、実質的には固定相場制といっても良いかもしれません。

1997年以降、元は概ね1ドル8.27元というレートで推移してきました。しかし、高い成長率で急成長を続ける中国経済の状況から、経済力に比べて割安だと考える人が増えていきました。特にアメリカは対中貿易の拡大で貿易赤字が膨らみ、製造業の衰退という厳しい状況にあり人民元を実力に応じて切り上げるべきだとする意見も出てくるようになったのです。1ドル360円の固定相場制でアメリカに対する貿易黒字が膨らんだ日本の場合と同じような状況といえるでしょう。

2005年に中国は人民元の対ドルレートを切り上げる決定を下しました。欧米諸国が要請していたレートよりも低く、不満の声もあるようです。正体的に再度レートの見直しが行われたり、変動相場制に移行したりすることも考えられますが、はっきりしたことは言えません。人民元が切り上げられれば、多くの国に影響を与えるでしょう。中国が経済を安定成長路線にシフトすることができれば、日本にも良い影響があると思います。しかし、大幅な切り上げがあると中国経済に悪い影響が出て、中国に進出している日本企業もダメージを受けるかもしれません。