基軸通貨のドル

最も多く取引されている外貨はドルで、基軸通貨とも呼ばれています。ドルが正式にアメリカの通貨となったのは、1792年のことです。第二次世界大戦が起きる前は、世界の中心国であったイギリスのポンドが基軸通貨となっていました。しかしその後、アメリカが資本主義陣営の盟主として世界に君臨し、基軸通貨もドルへと移っていったのです。

「有事のドル買い」という言葉があります。この言葉は、戦争など不測の事態が起こったときは、最も流動性のあるドルを買う人が多かったことから生まれました。しかし、ベトナム戦争の頃には軍事費が増加かしたことによりアメリカの財政赤字は拡大し、ドルへの信頼性も薄くなっていき長期的なドル安傾向が始まりました。

1981年に大統領となったレーガンによるさまざまな経済政策は、ある程度の成果は上げたものの財政は再び悪化。高金利によるドル高も重なり、経常収支赤字は増大する一方でした。そのため、アメリカはドル高是正を行わざるを得なくなったのです。このときの財政事情は、現在もアメリカ経済に暗い影を落としています。

しかし、1990年代に入ってからはIT革命を背景にした「ニューエコノミー」の流れが広まり、アメリカは低インフレと高成長の恩恵に授かります。これがドル高という影響を生み、1998年には1ドル14764銭の戻り高値をつけました。その後、ITバブルの崩壊や同時多発テロといった危機的状況を乗り越え、現在もアメリカ経済は底堅い動きを続けています。